Elastography について その2

 さて、先のカップゼリーでは中身がフルーツばかりなので弾性が強いというより硬いのであまりエラストグラフィー向きとは言えないようです。
なにかいいものがないかと思い考えたのが、ナタデココ入りのカップゼリーです。
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と言うことで、まずパイナップルとナタデココのカップで確かめてみます。ゼリーとナタデココのエコーレベルは等しくほぼエコーフリーを示します。
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ここに、エラストグラフィーをかけると以下のようになります。
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周囲のゼリーは、赤から黄であるのに対して、ナタデココは青を示しています。
同じエコーフリーの物質でも弾性に違いがあることがわかります。
次に、ヨーグルトゼリーの中にナタデココが入ったものでは以下のようになります。
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周囲のヨーグルトゼリーのエコーレベルは高く、それと比較してナタデココはやはりエコーフリーを示しています。
ヨーグルトゼリーはエコーレベルが高いのに驚きました。
これにエラストグラフィーをかけてみると以下のようになりました。
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周囲のヨーグルトゼリーは黄から緑を示しているのに対して、ナタデココはほぼ青を示しています。そのため、周囲のエコーレベルの状態で弾性が判断できないことがわかります。
ゼリーは後日ちゃんと冷やして味わわせていただきます。実際には、ナタデココ単独の弾性を調べてみようかと思っています。実際に今回使用したカップゼリーはメーカーが違うためにナタデココの弾性も違っている可能性があるらです。実際に食べてみればわかりますかね。
日立メディコのページにエラストグラフィー(Real-time Tissue Elastography)についての説明が載っています。
http://www.hitachi-medical.co.jp/tech/based/us/rte/index.html
何となく感覚がつかめてきたように思えます。
これから症例数を増やしていければと思います。
ご協力いただければ幸いです。 (^_^;)

新年と言いつつも

新年早々・・・
といいつつも早くも11日となってしまいました。いつもなら、新年のご挨拶や今年の抱負などどと抜かしていたのに今年はそんな時間がなかった。単に、時間がなかった。一体何にそんな時間を費やしたのか、記憶がない。そんな訳で、新年あけましておめでとうございます。本年も変わらずよろしくお願いします。
さて、やることやらねば・・・

MOなんて

Mos とっても古い超音波検査装置は、まあいいとして、未だ中堅として使用されている超音波検査装置(特に日本のメーカーで)での外部記憶メディアがMOなのである。MOは、PC関係では最近ほとんど見ることはない。メディアでさえも普通のお店では買うことができない状態である。MOを読むためのMO Driveなんていったいどこで売っているのかというほどもってのほかである。まあMOはMacで言うところのZIPやJAZZ driveといったところか。
 そのようなわけでこの仕事をしているとどうしてもMOドライブを手放せないでいる。おかげで1台のDesk top PCにはSCSIが装備されていて、内蔵型のMO driveを使用している。SCSIなんてインターフェースだって現在はほとんど使用してない。もう1台はSCSI-USB変換して外付けのMO driveがついている。(けど遅い) そのようなわけでこれらを維持するのはちょっと面倒なのである。しかしながらMOは非常に特殊なものであるらしい。この技術は信頼性および耐久性があるということで、日本の公官庁や出版業界で浴しよされていたらしい。そういった意味でも使い勝手?がよいと言うことらしい。この様にMOは世界的に見ても日本だけであるらしい。確かに、外国でMOは見つけられなかった。約15年前ニューヨークに行ったときにノートPCとMOドライブをもっていったけれども、MOのメディアを探すことはできなかった。そう言えば、友人は50枚の未使用のMAC用のフォーマットをした230MBのMOを2009年の福袋でもらった。非常に怒っていたので、私がもらい受けた。でもWindows用にフォーマットし直さなければ使用できないので面倒なのである。まあでも無料で50枚手に入っただけでも良いとしましょう。でも邪魔だったので、結構知り合いの先生にあげてしまいました。私の場合、記録と言うよりはセミナー等で使用する画像がほしかったので必要なものだけハードディスクにコピーして後は消去して使用しているので、本当は2~3枚あれば十分なのである。
 そもそもMOはMini Optical discなの?いえいえMagneto-Optical discということらしい。いわゆる光磁気ディスクである。MOは最高で2.3MBのものまであるものの、通常超音波検査装置で使用できるMOの大きさは640 Megabyteである。それでもfloppy diskの1000倍であるが、Gigabyteが当たり前の今では小さい小さい。もちろんほとんどの装置ではMOへの動画の保存はできない。動画の保存方法は、そのような装置では外付けのVHSのテープデッキだったりして。もし少し気が利いていてもS-VHSなのである。最近ではhard-disc recorderなんて言うものを使用している人もいる。
 今の超音波検査装置はいいよね。そもそもハードディスクがついていて、とりあえずそこにどんどん静止画や動画を落とし込むことができる。通常は検査全体の動画を流し込むことはできないけれども4秒間ぐらいの動画なら入れることができる。そして、検査が終わったらUSBメモリーをポチッとさせばすぐに認識してもらってそのUSBに画像や動画を移すことができる。もっと楽に記録できる方法はないものか・・・

現在の獣医画像診断の推薦図書

今までいろいろな画像診断のなかでも教科書が出てきて(中には消えていったりして・・・)、バージョンアップを繰り返して最初はいい加減だった本もだんだんと良くなってきていたりして感心したりもします。
が、しかし値段が高いしハードカバーで持ち歩きにくいし結局どの本をみても内容は似たり寄ったりで目を見張るものはありません。
しかし、かつては胸部X線診断と腹部X線診断では各教科書があり重宝したものでした。胸部では、LLLセミナーで翻訳版が買えます。原本は絶版になっていて、著者(Peter Suter)が自分の国に帰ってから自費出版的なもので出版されていたような気がします。腹部の本はとっくの昔に絶版になっていますしね。
英国で出版されている臨床獣医学の本のシリーズがあります。BSAVA(British Small Animal Veterinary Association)から出版されているもので、昔は内容がちょっと足りなかったり不正確だったりしていたのですが、最近ではだんだん良いものがみられるようになりました。
画像診断に関してはManual of Small Animal Diagnostic Imagingとういう画像診断を総括した本がありました。これはね・・・ん~っ・・・、という感じのものでした。
さて最近では胸部と腹部、筋骨格という3冊が出ています。どれも、題名の最後がImagingとなっていることから、X線検査にこだわったわけではなく、X線検査および超音波検査、コンピュータ断層(CT)検査および磁気共鳴画像(MRI)検査を含んでいます。内容もちゃんと書かれていて、絵も綺麗でお勧めです。いずれもとっても新しい本ではありませんが内容的には十分です。
値段はそれぞれの個人によって感じ方が違うのでしょうが、いずれも1.5万円以内で買うことが出来ます。
日本のAmazonでは以下です。最近ちょっと日本のAmazonに不満がありアメリカのAmazonにもリンクを張ってみました。値段的には、アメリカのアマゾンで注文した方が少し安いです。発送してから到着まで輸送に時間がかかるのが難点ですが、急がない場合にはよいと言えます。
日本のAmazon

アメリカのAmazon

動物の病理学の各論の本

 臨床を行う上で病理学は欠かせないものということは言わずとしれたものである。まあ、比喩として死後の世界を扱うとか言われているもののやはり、各疾患がどに各臓器に変化を起こしてるかはやはり病理学に頼ることしかできない。実際に、画像診断をやってはいるものの病理学をちゃんと勉強したのは大学の時である。そのときの知識はやはり所詮大学レベルとは言ってもかなり役に立っている。
 X線検査ではやはりある程度マクロ病理が重要で各疾患で侵襲される臓器や臓器の形態変化、石灰化などの変化の情報は重要なものになる。更に、超音波検査ではマクロ病理からセミマイクロ病理、時にマイクロ病理までの知識が必要になることもある。特に最近では技術的な進化ののために周波数の高いプローブでより細かい部位が観察できるようになったため、より細かい情報を得ることができるようになったことにもよる。
 これらの知識を得るのは大学を卒業してからは非常に難しいことである。なかなか適切な本がないのが現状である。実際にはそのような環境もなかなか存在していない。臨床をやっている先生方ににも病理に興味を持ってほしいと思う。
 以下の本は最近私が持ち歩いている本で、時間があると眺めている。この本の良いところは持ち歩くのに適している大きさであり、文章が箇条書きを中心に簡潔に書かれていること、必要な情報は補足しての載っていることなどがある。それにそんなに高い本ではなく、定価4,200円だと思う。この本は犬猫だけではなく牛や馬、豚等についても書いてある。そんなこともあって、国家試験の時に勉強したような「肉豆蒄肝」とか「サゴ脾」なんて言葉がサラリと書いてある。

Amazonには写真がなかったのでUPしておきました。
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画像診断の意義

 とっても春らしい陽気になって何もやる気になりません。いやいや今やってもうまくいかないのである。先日行った往診で領収証持っていくのをを忘れたぐらいならまだしも、超音波装置を持っていくのを忘れ、取りに帰って1時間の遅刻なんてこともあった。この仕事を10年近くやっているけれども初めてである。
記憶している限りでは・・・
 そうそう、日本に帰ってきて10年以上になるけれども、未だにアメリカのような画像診断の考えは定着していないんだなと思う。私が思うに画像診断は独立して行うものであり内科や外科の一部ではないし、画像を読むことにトレーニングを受けた人に読んでもらうことで多くの場合より多くの情報が引き出せるのである。(関係ないけれども内視鏡は画像診断ではない!!) 困った症例だけを見てもらうというのは本来は違うと思う。重要なのは読影が正確かどうかと言うことは確かに重要であるがそれだけではなく画像から得られる情報は今ある症状だけに対して重要な意味があるわけではないと言うことである。だから、画像診断で得られた情報が現症状や状態と一致しなくても、重要な情報であるはずだと言うことである。結局、日本では画像診断という概念根付きにくいということなのかもしれない。特に、今の獣医学業界では専門性が高くなってきているけれどもそれが、どの程度意味があるかということを問い直して見る必要がある思う。中途半端な専門性はお互いに不利益を生み、飼い主を混乱させるしかないと言うことに気がつく必要があると思う。
でも言ったモンがちだもんね・・・orz
Sakura










お花見行けた\(^o^)/

ペットの代理ミュンヒハウゼン症候群?

 代理ミュンヒハウゼン症候群(Munchausen Syndrome by Proxy)なんて動物病院で遭遇することがあるのかしらん。Wikiによると定義は代理の対象が人(多くの場合子供や老人)であり動物ではないということ。元はといえば病気なのはその人(多くの場合母親や子供)であって子供やその対象の人ではない。そんな意味では対象を動物とその飼い主に拡大解釈もできそうなもの。実際にこの病気を証明するのは難しいということである。そもそも、そのような虐待が行われていることなんて、我々の能力ではわかることさえもできないのかもしれないしね。もし、動物病院にそのような事例あったとしても、単に動物虐待として対処するしかないのでしょうね。単純な動物虐待でさえも我々は十分な介入をすることもできないしね。
 気になった人は下の本を読んでみてください。実際に代理ミュンヒハウゼン症候群の母親にいろいろとされちゃった人の実話だそうです。実は私はまだ読んでいません。

ちょっと気になっただけです。
春なのに・・・春なのに・・・花見にも行けてない~
気がつけばエイプリルフール、でもわざわざ嘘つかないよね。忘れてたし。