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日頃から画像診断を仕事でやっているのでグレイスケールの画像を眺めている時間は一般の人より長いのかも知れません。そんな日々、いっぱいある症例の画像の中にその症例の症状とは全く関係の無いものが見られることがあります。そんなものをパレイドリア現象と言います。
パレイドリア現象は、視覚刺激や聴覚刺激を受け取ったときに、なにかが見えたり思い浮かべたりする感覚のことです。
視覚のパレイドリア現象の例としては、
ちなみに聴覚のパレイドリア現象の例は、
私の場合はX線画像や超音波検査画像に何かが見えることがあります。
パレイドリア現象の中でも、視覚で何らかの顔にみえるものをシミュラクラ現象と言います。ヒトは3つの点があると、顔と認識することがあるというものです。ここでは私が経験した例を紹介します。
→ 横向きの顔ですね。肝臓の内側左葉と外側左葉の間に液体が入っていて口のように見え、肝静脈か何かの血管の断面が目と鼻になっている様に見えます。
→ 外側左葉の中心部が白っぽくなっていて、肝静脈が左目と鼻、口で門脈が右目になっていように見られます。
→ 胃の幽門洞内に食べたものが見られ、それがたまたま目鼻口の様に配列していて、左目の下に涙みたいに見えるものまであり、ピエロの様な顔に見えます。飼い主様にお話をうかがうと、納豆やゆでた根菜類などをあげているとのことでした。
猫の腎臓を超音波検査装置でみてみると、断面によっていろいろ見えることがあります。
→ 猫の左側腎臓の長軸像で、中央の低エコー(黒っぽく)に見られる腎盂が、ちょうどハート型に見えます。Valentine Kidneyと言ったりして・・・
→ 猫の左側腎臓の長軸像です。前の画像と同じように、中央に見られる腎髄質で低エコー部(黒っぽいところ)が○ッキーマウスに見えます。中央の部分だけ見るといわゆる「隠れ○ッキー」にみえますが、さらに想像力を膨らませると、ちょっと左(向かって右)をむいて両手をグーにしていて、白いパンツをはいているように見えなくもありません。
これは、パレイドリア現象とシミュラクラ現象とは違うのかも知れませんが
→ 右下の腹部ラテラル像(左-右ラテラル像)のX線検査像ですが、中央にペコあるいはベコとも読める文字が浮かんでいます。腹部に文字が浮かぶのは、映画「エクソシスト」以来です。
文字に見えるのも多分パレイドリア現象でなのでしょうね。