獣医学における超音波検査の本-2022年4月

2022年(令和4年)4月版

実際のところあまりない。実際には超音波検査では、実習あるいは練習あるのみで数多くの症例をあてた方がよい。

動物の超音波診断アトラス

ちょっと高い(¥30,800)のと古い(2009/6/30)のが少し気になる。しかし、アトラス(図鑑)的なもので画像が豊富なので1冊はあると良いと思う。原本は英語だけれども、もっと安い新しい。Kindleで買うと更に安い。図版が豊富で比較的質がよいこともあり眺めているだけでも十分楽しめるので、英語がわからなくても問題ない。

Atlas of Small Animal Ultrasonography

本 ¥25,727- Kindle ¥18,698- 発売日 2022/5/24 (この記事を書いている時点では未発売、そもそももっと早く出る予定だったような・・・)

イチからはじめる犬と猫の超音波検査

読んだことありません。

腹部エコー検査パーフェクトガイド のどの奥から腹の底まで

読んだことありません。

すべての獣医師のためのPoint of care超音波~超音波次世代テクニック~

「第2章 腹部の先制スクリーニング超音波検査」を書いています。やはり超音波検査の基本はスクリーニングだね。ただ、もう中古本しかないようだし、買って頂いても私に印税は入らない。

超音波検査を「推理」しながら進めていく

獣医師でも役立つ超音波検査の本だと思う。

この本は最近読んだ医学の超音波検査の中でも面白かったもの。

先生の多くは、超音波検査をやっていて各臓器は描出できるけど、診断を進める上で何か足りないと思っている人もいると思う。すべて人間の解剖や疾患のみを紹介しているものの、得られた画像から何が得られるのか、また何を得るべきなのかの解説を読んでいると自分が何か足りなかったのかを気づかせてくれると思う。

確かに超音波検査は手技重視になりがちで、描出が上手い方が良いと言えるけれどもそれだけではないと気づかせてくれる。そのため超音波検査が得意だと思っている人ほど役に立つのではないかと思う。

人の方の超音波画像を見ていると、画像の質は高いに越したことはないけれどもそれだけが重要なのではないということ思い知らされる。

エコーは推理だ! 腹部エコー画像から診断に至る思考のプロセス 

https://amzn.to/368XtzF

Don’t think. Feel!

ブルース・リーの映画で「燃えよドラゴン」の中で「Don’t think. Feel!」という言葉かある。

これについて非常に良いことを言っているサイトがあった。

あの名セリフ「Don’t think. FEEL!」の後に続く含蓄に富んだ言葉、知ってますか?

https://business-study.com/dont-think-feel/

ここではこの先に続きがあって、そこまで知らないと本当の意味はわからないという。

こう続く、

“Don’t think. feel! It’s like a finger pointing away to the moon. Don’t concentrate on the finger, or you will miss all the heavenly glory.”

考えるな。感じろ!それは、月を指で示していることと同じで、指先に集中していると、月の美しい輝きを見逃してしまう。

「これは!超音波検査の実習デモンストレーションの時に使える!」なんて思った。

というのは、腹部の超音波検査実習を始める前のデモンストレーションの時に多くの人が私が当てている動物のお腹とプローブを見ている。でもあてている私は最初にあてる場所の確認の時に見るだけで、あてている場所なんでほとんど見ていない。というのは、実際にあてるときはどんな画像が得られているかを確認しながらあてているので、手元の動きなんで見ながらあてているわけでない。ここからあてて今この画像が出ているなんてことはさして重要ではなく、この画像をだしてどう判断していくのかに注目してもらえたら良いなと思う。

あてている場所に気を取られていると、実際に画像の変化を見落とすこともあるよということなんだなと思う。

だから参加している先生方には画像に注目してもらいたいのである。でも、参加している先生方に「Don’t think. Feel!」って言ってもわかってもらえないよね。でもそんなことの説明に時間をかけるのはもったいないし・・・

超音波検査方法の学び方

超音波検査は、他の画像診断と違い、患者に対して実際に検査を行っている人が自らその場で診断を下していくという特殊な検査であると考えます。そのため、検査している人の技量や知識、経験などのよって、結果が変わってくることが多い。
 この特殊な検査方法は、学ぶのは結構難しいものであると言えます。一番良い方法は、やはりちゃんとした先生について学んで行くものであるとおもいます。しかし、そのような方法で学ぶためには時間もお金もかかり、実際に限られた人のみが許された方法であると思われます。
そこで、時間があるときに、ネットである程度の知識を得ていくという方法はとても、有効な方法であると考えます。
そこで、まとめサイトで、できる限り時間を有効な方法で学べそうなサイトをまとめてみました。

サイトがなくなったので現在制作中です。

私にもできた! 無料で超音波検査を勉強できるサイト
http://matome.naver.jp/odai/2143218131347747101

じつはこのNAVERでの「まとめ」サイトで何かまとめなるものを作ってみたくて作ってみたというのが実情ででした。

エラストグラフィについて

エラストグラフィーは医学では乳腺腫瘍にはじまり、肝臓や腎臓などでも活躍されています。
残念ながら獣医学ではそれほど浸透していません。
きっかけで、エラストグラフィのついた超音波装置を持っているので、何か活躍できないかと模索しています。
皆様にもエラストグラフィの理解を深めてもらおうと思い動画を作ってみました。

スパイナル針と動物用エコー針の比較

針穿刺によって目的部位の臓器や組織の細胞を採取する方法をFNA(Fine Needle Aspiration)あるいはFNB(Fine Needle Biopsy)と言います。使用される針は、通常の注射や採血に使用する皮下針であったり、カテラン針、スパイナル針などがあります。個人的には、内針がありベベル(針の先端)の形状などからスパイナル針を使用しています。理由は、まず内針があると目的部位まで針先端をふさいでくれるので、他の細胞が入って来にくいような気がする。(あくまでも個人的な意見です。) また、針先端の形状も皮下針のようにサーベル状ではないため、臓器内に入れたときも無駄に組織に損傷を与える可能性が低いと考えるからです。(あくまでも個人的な意見です。)
このFNAやFNBで採取されるサンプルは、細胞のみであり組織しては採取することはできません。そのため、診断は細胞診というレベルの判定になり、確定診断ができることは多くはありません。
さて、仕事柄このFNAを超音波検査下で行うわけですが、いつも使用しているスパイナル針だとベベルのみが見えるだけで、時に針がどこに行ったわからなくなることあります。そこで、最近発売された、動物用エコー針というものを使用してみました。
動物の針穿刺バイオプシー(FNA)に使用するユニシスの動物用エコー針(23G・7­0mm)とテルモのスパイナル針(23G・70mm)をカップゼリー(たらみ)を使用して比較し­てみました。
準備したのは、超音波装置(Hitachi Aloka Noblus)とエコーゼリー、スパイナル針(23G・7­0mm)、動物用エコー針(23G・7­0mm)、カップゼリー(ローソン たらみ ミックスゼリー)です。

2つの針の間に中にエコーゼリーをたらして見ます。

左がスパイナル針で右が動物用エコー針です。やはり動物エコー針の方が針自体を確認でき安心感があります。スパイナル針はベベル(針先端)のみです。
針の角度を変えてみました。

左が動物用エコー針で右がスパイナル針です。動物用エコー針は問題なく確認できますが、スパイナル針はより見づらくなっています。
でも、動物用エコー針で輝いて見える場所と実際の針の場所には少々ずれがあるように見られます。ずれていることがわかっていれば問題ない範囲であると思われます。あとは針の値段ですね。
youtubeに長いバージョンをUpしておきました。興味ある方はどうぞ・・・

胃内の異物なのでしょうか?

先日の腹部超音波検査で胃の幽門洞にこのようなものが見られました。
異物でしょうか?
内心ドキドキで『異物なのか・・・異物ではないのか・・・』

周囲のゼリーは、赤から黄であるのに対して、ナタデココは青を示しています。
同じエコーフリーの物質でも弾性に違いがあることがわかります。
次に、ヨーグルトゼリーの中にナタデココが入ったものでは以下のようになります。
Ee000_20130502132715
周囲のヨーグルトゼリーのエコーレベルは高く、それと比較してナタデココはやはりエコーフリーを示しています。
ヨーグルトゼリーはエコーレベルが高いのに驚きました。
これにエラストグラフィーをかけてみると以下のようになりました。
Ee000_20130502132706

周囲のヨーグルトゼリーは黄から緑を示しているのに対して、ナタデココはほぼ青を示しています。そのため、周囲のエコーレベルの状態で弾性が判断できないことがわかります。
ゼリーは後日ちゃんと冷やして味わわせていただきます。実際には、ナタデココ単独の弾性を調べてみようかと思っています。実際に今回使用したカップゼリーはメーカーが違うためにナタデココの弾性も違っている可能性があるらです。実際に食べてみればわかりますかね。
日立メディコのページにエラストグラフィー(Real-time Tissue Elastography)についての説明が載っています。
http://www.hitachi-medical.co.jp/tech/based/us/rte/index.html
何となく感覚がつかめてきたように思えます。
これから症例数を増やしていければと思います。
ご協力いただければ幸いです。 (^_^;)